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うまいアドリブ
アドリブと台本
アドリブは自信を作る
演技を学び始めて間もない人たちは、アドリブができると、とても喜びを感じます。台本や予定以外のこと、突然のアクシデントに見舞われた時に、自らのひらめきで何かをやり、その場を収めることができると、自分の力を信じる縁(よすが)になるからです。
台本や予定は、他者が決めたこと。そして、台本や予定があると、「決められた通りにやらなくてはいけない」と皆が思い込みがちです。本当は、台本や予定が定められたら、「そのうえで自分らしく何ができるか」をすれば良いのですが、演技を始めて間もない人たちは、そしてとくに日本人は「誰かに言われた通りのことをする」習性がものすごく強いので、なかなか「自分らしく料理する」ところまでいけないのですね。
けれど、なにかアクシデントがあると、「その場を乗り越えなくては」と危機管理能力が働き、自らの裁量でなんとかするわけです。そしてその危機を脱したら、その人は、何があっても自分には何らかの乗り越える力がある、と自分を信じることができるようになるでしょう。
台本に出てくる人たちもアドリブをしている
全てのキャラクターは、その場その場の危機をなんらかの方法で脱しようとして四苦八苦しているのだと思ってみてください。
つまり、あなたが台本通りにやろうとしているのに何か邪魔が入った時、それを「えーい、俺、もうこれやっちゃうよ」というノリでその場を何とかしようとする、それとおなじことを各キャラクターがやっているのと同じ状態というわけです。
そう思ってもう一度台本を見てみましょう。
危機に陥った時、人によって、どんなチョイスをするかは異なります。あなたはただ、そのキャラクターのチョイスを知るだけです。あなたにはあなたのチョイスがあると思いますが、あなたの演じるキャラクターには、その人なりのチョイスがあります。そのようなチョイスをする傾向のある人とは、どんな人なのでしょう?
どんなアドリブをする人なのか
どんなチョイスをする傾向のある人なのか。
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実は、これが、「登場人物」のことを英語で「キャラクター Character」という所以(ゆえん)です。この面白い話は、また別の記事でお話ししますね。
さて、話を元に戻しますと・・・
危機に陥って、あなたがアドリブをして、その場を取り繕うことができて、喜びを感じた。それはとても良いことです。最初のうちはそれで良いのです。
けれど、いずれ、それが、キャラクターのチョイスではなく、普段のあなたのチョイスにすぎないことに気づいていきましょう。
「あなた」がアドリブができて喜んで飛び跳ねている時代はあっても良い。けれど、その先に、「キャラクター」のアドリブの連続で台本が成り立っていることがわかれば、あなたの演技の才能は見事に開くはずです。
即興は練習できるし、上手くなれる
そのためには、演技訓練で、即興(インプロビゼーション。インプロ)の練習は必須です。
私(三輪えり花)は、台本読解をとても大事にしますが、それは、キャラクターがインプロをできるようになるまで、演者が台本を読み込むべきだ、と思っているからです。
即興(インプロ)を一人でも練習できる『インプロ:自由自在な行動表現』が役に立ちますよ。
文字が多いように感じるかもしれませんが、エクササイズを声に出して読んでみるだけでも「なるほど!」がたくさん見つかります。
そして、ぜひ、文章に心を添わせてじっくり読んでみてください。あなたも素晴らしいアーティストになれることがわかりますから。
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