ハムレット第三独白をやってみよう

1 はじめに

『ハムレット』といえば、有名なのは第四独白「現状維持か現状打破か(生きるべきか死ぬべきか) To be, or not to be, that is the question.」ですよね。そのセリフを言うためにも、そのすぐ前に出てくるこの第三独白がめちゃくちゃ大事なのです。悩むハムレットの前に旅回りの劇団がやってきて、トロイ戦争の最後の日の場面を演じてみせるのです。それを見たハムレットが、演劇の力に圧倒され、さあどうする!というところです。

三輪えり花は、ちょうど『トロイ戦争は起こらない』で、まさに第三独白に登場するトロイ最後の王妃ヘキュバを演じるために、この第三独白を復習しました。ハムレットは一度演じたことがありますが、にもかかわらず、たくさんの発見があったので、これはワークショップをやったら俳優さんの助けになるんじゃないかと思った次第です。

数回にわたるワークショップなので、解説動画もかなりの量になりました。今回公開するのは、「物語を知る」です。舞台が開く前に、ハムレットの身に何が起きていたのか、どんな時代だったのか、人々はどんな考え方をしていたのか・・・それらを知ることによって、演じているときのキャラクターの心理や頭の中を演じるのがめちゃくちゃ楽しくなるのです。

興味のある方、ぜひご覧ください。

2 翻訳比べ & 超重要!独白のお約束

坪内逍遥の翻訳をまずご覧ください。
その部分を、現代の代表的な翻訳家たちがどんな言葉にしているのかを見てみましょう。
小田島雄志・松岡和子・河合祥一郎の三氏の翻訳です。
翻訳によって、キャラクターさえ変わるのがすごく面白いのです!

気持ちを入れる音というのがあってね、英語だと G とか D とかが、激しい気持ちを表現しやすいと言われています。(ぐお〜、とか、だ〜、とか、フラストレーションを感じているとき、言っちゃいますよね。あれです)
動画の中で詳しく解説していますが、それらを日本語の翻訳者も活用しています。さすがですね。

さて、演技をする時は、ある一定の演技に陥らないように注意しましょう。
ハムレット、と聞くと、だいたい腕を組んで暗く落ち込んだ真面目な顔で演じがちです。
が、ハムレット自身が台詞の中で言っているように「すぐキレる」男なのです。
なので、一度は、キレがちなハムレット、一人で暴れ散らかすハムレット、で演じてみると新しい発見があると思いますよ。

また、動画の後半では、独白を演じるときのお約束についてもお伝えしています。これ、超重要! 世界中でシェイクスピアの独白はこう演じる、というのがお決まりになっています。日本でも外国語で世界の演劇に触れている演出家たちは取り入れています。あなたもぜひ!

つづく


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